Competitive Intelligence(CI)って何?BIとの関係は?BIとの違いは?


 

 

Competitive Intelligence(CI)をご存じでしょうか。海外では結構盛んに議論がされているようですが、日本ではまだあまり聞き慣れない言葉です。日本の企業は競合分析をあまりやっているイメージがありません。

このCIについて、BIとの比較を中心としてまとめた良記事がBeyeNETWORKに書かれて、これが結構役に立つ情報だったので、かなり長くなってしまいましたが、ほとんど要約せずに翻訳したのでご紹介します。

翻訳元:Competitive Intelligence: The Natural Extension to Business Intelligence

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多くの企業にとって、Competitive Intelligence(CI)は、市場での可視性を向上させ、その市場シェアを拡げるために不可欠です。CIとは何かと言うと、『競合他社・類似製品・市場動向・分野・新しい特許や技術・新しい顧客の期待に関する情報の体系的・継続的・合法的な収集と分析』のことを言います。

ビジネスインテリジェンス(BI)は、マネージャーが企業の情報を収集して分析し、市場でどのような行動を起こしていく必要があるかということを見つけるためのものです。一方でCIは、BIと同じように収集したデータから企業の意思決定者にとって重要な情報を明らかにするのですが、この情報はその企業の外部から見つけ出し、その企業が属している市場セグメントに関するヒントを与えてくれるものです。 違いを明確にすると、BIは自社内部にある自社に関する情報を利用することであり、CIはその企業の外部から見つけ出すことができる、その企業が属す経済的エコシステムに関する追加的なインテリジェンスです。

市場との関係の中での活動を判断するために、企業は顧客と製品の両方の視点を持ったほうがよいでしょう。BIとCI共に、事実だけでなく、企業の戦略と戦術の修正に有益な情報を提供してくれます。市場環境及びパラメータは、顧客・競合他社・政治・トレンドなどによって決定され、意思決定者が市場環境の変化によって発生する調整が、必要とする分野で素早く行動できるような形でCIを収集して用意することができます。BIとCIは重要な情報を生み出し、企業全体の目標を達成するために必要な賢い意思決定のための強固な基盤を構築するものです。

どのようにCIを活用していくか

企業は以下の手順によって、CIのための情報の強固な基盤を構築できます。

  1. データを収集する
  2. 情報を抽出する
  3. 情報のコンテクキト(コンテクスト)を得る

データの収集にはいくつかの方法があります。

  • Webクローラ
    体系的にインターネットのページを検索し、そのままの形でコンテンツを抽出します。
     
  • 公共のウェブサイト
    顧客、競合、もしく規制当局のWeb上でのプレゼンスになります。
     
  • ニュースサービス
    有料購読での専門的なサービスです。市場パラメータを書いているロイターやブルームバーグなどです。  
     
  • ソーシャルメディア
    ブログ、Twitter、Facebookなどは、市場での異なるプレーヤーに関する多くの情報があります。    
     
  • オンラインサービス
    例えばEdgar Onlineは、貸借対照表、キャッシュフロー、損益計算書、競合他社へ関心がある可能性のある従業員の数などの企業に関する財務情報を提供しています。  
     
  • 市場アナリスト
    彼らの研究は、市場や変化への洞察を与えてくれます。また、トレンドを見極め予測します。

情報源は多種多様な形式で提供されるように期待される一方、そのほとんどは非構造化データです。

次のステップで、異なる情報源から収集した様々なデータから有益な情報を抽出する必要があります。情報の収集と集約はテキストマイニングの様々な方法で行うことができます。人的資源の投入は、情報の評価と、有意な関係に多種多様な情報を置いていくという点で、BIよりCIの方が更に重要になります。

CIの最後のステップでは、できるだけ正確に現実を反映するように情報をコンテキストに入れていきます。このステップが最も多くの時間を必要とします。 よく知られている80/20のルールを使い、データを収集し抽出するための時間は20%だけにし、コンテキストに情報を入れていくことに残りの80%を使った方が良いということです。これは、記事の後半で詳しく説明します。

CIはコンテキストを意味する

市場、競合他社、顧客や規制当局は、企業が属するコンテキストの中で表されます。

競合他社という継続的な圧力、要求の厳しい顧客、顧客のロイヤルティの低下、価格感度の上昇は、意思決定者に不可欠な、企業の経済的エコシステムについての幅広いしっかりとした知識を持つことによって対処できます。知識のベースの元になる情報収集はBI、CRM(Customer Relationship Management)、CIのタスクです。 CIはCRMと同様に、企業の焦点を顧客だけでなく他の市場にいる人達にも合わせます。競合他社は自社と同じ顧客を競い合うことができますし、規制当局は市場をコントロールすることができます。

CI環境で収集された情報は、以下の条件を満たしている必要があります。

  •  情報源(またはデータの質)の妥当性
    データの質は大丈夫か。情報の内容は明らかか。この情報源は洞察を得るための一歩をもたらすか。  
     
  • 適時性
    情報はどれだけ最新のものか。一年前、それとも数日前のものか。一般的に最新の情報は古い情報より企業に対して深い影響を与えます。  
     
  • 関連性、接続性
    抽出された情報は企業の目標に関係があるか。どんなキーパーソンが重要な顧客に関連しているか。  
     
  • メッセージ性
    情報の一部が資料で頻繁に使用されたり、リサーチ活動に大きな影響がある場合、それはとても強いメッセージ性があります。

同じ基準をBIアプリケーションに適用しようとすると、これらの条件はCIと同じように重要であるとわかるでしょう。しかし、BIとCIにこれら4つの基準を適用すると小さな違いがあることに気づきます。

  • 情報のソース(またはデータの質)の妥当性
    BI環境のほうが基準をクリアしやすいです。全てのデータソースがBI/データウェアハウス(DWH)に接続されているため、明確なデータ品質ポリシーが実施されていれば、情報を高品質にすることが可能です。  
     
  • 適時性
    多くの時間と費用をかければBIアプリケーションでクリアできます。リアルタイムソリューションまたはインメモリアプリケーションが情報の現実性の高品質化に役立ちます。  
     
  • 関連性、接続性
    良いモデリングは、クエリやレポートを使って特定の質問に対して正確なキー数値を結びつけます。
     
  • メッセージ性
    情報が強い影響を持ったキー数値とディメンションをスマートに構築できれば、BIの方がクリアしやすいです。

最も重要なコンセプトを視覚化するグラフィックスおよびダイアグラムに様々な構造の基準を使うことによって、CI分析の結果はテーブルから様々な方法で出すことができます。例えば、ブロゴスフィアでは特定のタグの強さを可視化するためにタグクラウドを使うことができます。情報の表現が直感的で、理解しやすく、人間工学的である限り、何でも受け入れられます。

 「BI 対 CI」か、それとも「BI と CI」か

カリフォルニア州クレアモント大学院教授のPaul Gray氏は、BIとCIの違いをこう要約しています。”ほとんどのBIは、主に内部要因を理解し使用するということに基づいていて、事実ベースでの意思決定に焦点が当てられています。”

BIとCIの目的は共に、コンテキストにローデータを入れ、有益な情報を得ることです。次のレベルでは、収集した情報から新たな洞察を得る必要があります。これは、比較、フィルタリング、視点の変更、または情報の様々な部分の連想連結を使うことでクリアできます。言い換えれば、CIでインテリジェントな情報を得ることは人間の推論に非常に似ています。

最初の違いは、BIとCIがデータを有益化させる、連結データ→情報(Information)→知識(Knowkedge)→知恵(Wisdom)という流れの中で見つけることができます。BIは、データの収集と濃縮化を高度な自動化で実現しています。CIは、もっと手動でのステップや人の力に依存します。

CIで結果を得るためのプロセスを下図に示しています。データを濃縮化する手順と、大規模なコンテキストにデータを入れることは普遍的なため、再び連結データ→情報(Information)→知識(Knowkedge)→知恵(Wisdom)という流れが発生します。「Intelligence」のステップは、企業で意思決定者が決定を下すために知識を使用して、決定の行方を観察し、必要に応じて変更できる準備がされていることを前提としています。CI環境の恒久的なメンテナンスは、それが最適な方法でビジネスを推進していれば、企業にとって追加の価値にすることができます。

もしBIとCIのデータソースを見れば、BIは主に企業内部のデータを使用していることがわかります。ほとんどのBIデータは構造化データです。CIは社外からの情報を使用し、関連する全てのデータソースが取得できているか確認することはできません。 ほとんど全てのデータソースが使われている理想的な状況であっても、競合他社や他の市場エージェント、が真実を伝えたり情報の対称性を探したりすることを望んでいないかもしれないため、確信してはいけません。 また、時々間違っていたり虚偽の情報(FUD=fear, uncertainty ,doubt)が意図的に市場に広がっているかもしれません。CI環境内のほとんどの情報は非構造化データで、BIとCIは相互補完の関係であることを強調しています。

BIとCIは、同じ大きなチャレンジに直面しています。それは、処理すべき企業内部及び外部の情報が多すぎるということです。

知識は明示的でもあり暗黙的でもありますが、明示的な情報だけが自動的に処理することが出来ます。CIは、実際に何を探しているのかわからない状態でスタートしますが、時間が経つにつれ、いくつかの洞察が得られ、情報が研ぎ澄まされてきます。推論的な手順はまるで探偵の仕事のようでしょう。CIは時として低品質ですが、暗黙知を得ることができます。 最近まで、BIは明示的な情報のみを処理していました。関連情報で知的労働者を養うために、自動化された手順、DWH管理、複雑なETLプロセス、そしてキー数値の計算が使われています。最近では暗黙知を抽出するために、予測分析がBI環境の中でますます重要になってきています。 BIとCIを比較せずに、企業内で双方を統合する方法を考えましょう。

 データ分析の手法について

 CIのプロセスは、2つのフェーズで構成されています。

フェーズ1は、二次調査( secondary research)として知られています、収集データの80%を、全体のプロセスに割り当てられた20%の時間で分析します。

フェーズ2は、一次調査・初期調査(primary research)と言い、データの20%を全体の80%の時間で評価します。 80/20のルールを下図で説明しています。

 

フェーズ1では全体の時間の20%で、データの80%を収集します。リサーチと分析がフェーズ2に比べるとそれほど重要ではないため、二次調査と呼ばれています。 フェーズ1での結果は、フェーズ2の一次調査で処理されることになります。フェーズ2では、割り当てられた時間の残り80%を使って処理をします。

フェーズ1では、データのオーバーフローが発生する可能性があるため、フェーズ2では、フェーズ1で収集されたデータからインテリジェンスをマイニングしなければいけません。フェーズ2では、人的投資が非常に重要です。有益な情報は、企業のビジネス環境の反映や専門家とのインタビューから得ることができます

フェーズ2は、特定のソフトウェア技術を使って自動化できる定量的手法なので、より簡単と思われます。一次調査は人によって行われるため、自動化することは難しいです。CIに従事する社員に必要なスキルは、「好奇心」「中立であること」「我慢強さ」です。

この80/20ルールをBI環境へ適用することはできるのでしょうか?もちろん出来ます!

BIユーザーも80%の時間で、レポートやグラフでは明示的に得られない残り20%の有益な情報を得るために使うべきです。もちろんここでも人の力が重要になります。BIユーザーは、なぜ特定のキー数値がその値を持っているのかを見つけたり、異なる数値の関係性を確立させたり、BIシステムからわかる事実をBIシステムの外部情報と連結させたりします。残念なことに、ほとんどのBIシステムは過去のデータが格納されています。予測分析はユーザーの経験と知識によって導かれる反復的なプロセスであるため、ユーザーの入れ替えは簡単ではありません。

まとめ


■補完的な性質

BIとCIの補完的な性質は何か?

まとめると、BIとCIは企業が属している市場環境での行動に役立つ情報を得るための補完的なメソッドです。

  • BI環境では、情報のコンテキストはすぐに企業に利用できますし、簡単にアクセスできます。 CI環境では、反復的で様々なメソッドを使って正しいコンテキストを推測しなければなりません。CIのコンテキストと情報源にアクセスすることは難しいですし、情報の質は日常的に疑問視されるものです。

  • BIのデータソースは企業内部に存在する一方、CIのデータソースは企業の外にあり、評価して選んで収集しなければいけません。

  • BIのデータは主に構造化データで、主にキー数値に焦点を当てます。CIのデータは主に非構造化データで、いくつかのキー数値(例えば、同期間の収益)を構築しなければなりませんが、BIよりも更にテキストに本気で時間をかけなければいけません。

 

■類似点

BIとCIの一般的な性質と類似点は何か?

  • CIの80/20ルールは、BI環境にも適用できます。

  • 情報の収集は、BIではかなり自動化されています。CIは一定のレベルであれば自動化できますが、人的資源を多く必要とします。この違いは、BIには人の力が同等には必要ではないという誤った認識を助長してしまうかもしれません。BI環境では、アナリストはインテリジェントな関連性の中にキー数値を入れなければいけませんし、質問を投げかけ、その答えと理由を検索しなければいけません。

  • 予測分析は、BI環境の中でますます重要になってきています。CIは推論的なプロセスで、時には予測分析(例えば、テキストマイニング)を使用します。

  • BIとCIのアナリストは、外部からの情報を収集するために自らの地平線の向こうに目線をやることで、卓越したレベルに到達することができます。

CIは、BIの拡張機能として推奨します。共に、企業の本質的なインテリジェンスのようなものを構築します。戦略にBIとCIを使用する企業は、市場の中で優位なポジションに立ち、競合に比べ市場ポジショニングをより現実的に推定し、より良い意思決定をし、適切な未来への扉を開けることができます。

CIを使うには、人的要因に直面します。Hans-Georg Kemper氏とHenning Baars氏の「テクノロジーが全てにおいて勝っているわけではない」という勧告が内在化するでしょう。 “現実には、BI/CIプロジェクトにはテクノロジー志向が支配的に公言され、逆効果な信頼を得るということがよくあります。これは数十年来知られている再発現象です。

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