Archive - 3月 2012

世界最大のリサーチ会社が、初のデータ・ビジュアライゼーション(データ可視化)コンテストを開催する目的とは?

nielsen_dataviz2012

 


 欧米ではインフォグラフィックに限らず、様々な形式でのデータ・ビジュアライゼーション(データ可視化)コンテストが頻繁に開催されています。

そんな中、世界最大のリサーチ会社であるニールセンが、”実験”として当社として初のデータ・ビジュアライゼーションコンテストを開催しています。

様々な調査データや小売データ、消費者データ、メディア視聴データなどを持つ、(量ではなく)ある意味世界で最も質の高いデータを持つニールセンが、このコンテストを行う目的は何でしょうか?

今回のコンテストの素材となるデータは、消費者習慣に関するものとソーシャルメディアに関するもので、それぞれ既に以下のような質の高いレポートとして公開されています。

 それでは、これらの元データを使って、ニールセンはどのような”作品”が投稿されることを望んでいるのでしょうか?

3月29日の締め切りまであと一週間と迫った22日、ニールセンのブログ記事「Data and Design – Looking at Data Visualization」で、今回のコンテストを開催した目的が書かれました。

 「ビッグデータが更に大きくなるにつれ、人の脳は、複雑なデータがより簡潔に表現されることを望む。」

 記事の中ではその根拠として、急成長中の画像キュレーションサービスのPinterestで、インフォグラフィックが人気カテゴリーの一つであること、そしてマッキンゼーとの合弁会社NM Inciteの調査で、ネット上でのインフォグラフィックに関する話題が前年比107%成長している、ということを取り上げています。

しかしながら、ただグラフィックがキレイで視覚的に楽しめるものを求めているわけではありません。

ビッグデータという新たな世界の理解のために、このデータの海に飛び込んで、どのような「ストーリー」がそこにあるのかを探求し、クライアントにとって未知で価値ある貴重な情報・洞察を視覚的にストーリーテリングできる人を探している、ということです。

特に日本で言えることですが、企業・個人にかかわらず、取得できるデータの種類は明らかに増えているにもかかわらず、これらの表現方法はこれまでの手法を踏襲し、表やグラフを並べてコメントを付ける、といった原始的なケースが多いです。

リサーチ会社にいる方々は、このようなデータはこのように表現する、といった固定概念を持ってしまっている人が多いという印象があるので、外部の人間がそれらをどのように可視化できるかを考えた方が、ユニークなアイデアが出てくるのではないでしょうか。

(※もちろん、インフォグラフィックはデータ可視化手法の一つであり、どんなデータでもインフォグラフィックにした方がいい、というわけではなく、データ特性や目的によって様々なデータ可視化手法から適したものを選択するべきだと考えていますので、スプレッドシートで作成できるような表やグラフが最適なケースも多くあります。)

また、先ほどのニールセンのレポートについても、インフォグラフィックの要素を取り入れキレイで見やすいですが、結局は数字やグラフを並べたに過ぎず、見た人にとって「へ~」で終わってしまう可能性が高いです。

なぜそのような結果が出たのか、ストーリーに沿って説明することによって、その先のストーリーが想像しやすく、「では、そのストーリーに沿って行くと、今後このような展開が予測でき、そのステップとしてこのような戦略が考えられる」というところまで考えることが出来るようになるのではないでしょうか。

これも一種のPredictive Analysisといえるかもしれません。

ビッグデータと共に、データ・サイエンティスト(Data Scientist)というバズワードが出てきていますが、統計などによって大量データから導き出された有益な情報を、どのように表現しクライアントやユーザーに伝えるのか、それを考えるインフォメーション・デザイナー(Infomation Designer)という人材も必要になってくると考えます。

投稿された作品は特設ページで公開され、自由にコメント・投票ができるようになるとのことですので、是非締め切り後に訪問してみてください。

最後のパラグラフに、このような言葉が書かれています。

「今回の試みからデータとデザインについて学び、”再発明”する。そのために、みんなには既成概念にとらわれないで欲しい。」